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ドローン使った遠隔医療、実現目指す養父市-特区シンポでアピール

 内閣府は先月末、東京都内で「国家戦略特区シンポジウム」を開き、東京圏や関西圏など特区の関係者が一堂に会し、これまでの取り組みや今後の方針をそれぞれ説明した。その中で兵庫県養父市の広瀬栄市長は、三井物産と協力し、小型無人機(ドローン)による医薬品配送を含む遠隔医療を実現したいとアピール。中山間地の患者が通院する負担を軽減するほか、重症化予防による医療費削減といった狙いを説明した。【丸山紀一朗】

 養父市は昨年5月、東京圏や関西圏のほか新潟市、福岡市、沖縄県と共に特区の一次指定を受け、中山間地農業の改革拠点として主に農業分野の事業を実施している。広瀬市長は、こうした取り組みの効果として養父市の全国的な認知度が高まったことで、三井物産など民間企業との連携につながったと説明。今後の取り組みに向け、「養父市は失うものがない。だから思い切ったことに挑戦していく」と意欲を示した。

 養父市と同社は今年4月、特区ワーキンググループのヒアリングを受けた。共同提案書では、高血圧や糖尿病など慢性疾患は長期の医療管理を必要とする一方、中山間地では医療機関を受診する手間から患者が治療を中断してしまうケースが多いと指摘。この解消のため、患者が自宅で測定した血圧や血糖値などを医師が遠隔モニタリングし、通院の必要がなければ、院内調剤した医薬品をドローンで届けるとした。

 さらに、この取り組みの実現を不可能または困難にしている規制として具体的な法令の条文を挙げ、例えば健康保険法ではタブレット端末を使った健康相談などが診療報酬の対象とならないほか、医薬品医療機器法(旧薬事法)では第三者による医薬品の販売や受け渡しができないとされているといった課題を指摘している。

■小泉政務官「リスク取る自治体、政治が支える」

 シンポジウムには、国有林野を活用してドローン技術を実証するとして特区指定が決まっている秋田県仙北市の門脇光浩市長のほか、新聞販売店を拠点にドローンを使った高齢者向けデリバリーサービスの展開を目指すMIKAWAYA21の鯉渕美穂・代表取締役社長らも登壇し、医薬品の配送を含めたドローン活用の可能性を議論した。

 同じく登壇した小泉進次郎・内閣府大臣政務官は、政府が今年中の速やかな決定を目指している次の特区指定も見据え、「リスクを取る自治体としてどこが手を挙げるか」と期待を示し、「リスクを取ってくれたところを政治は支えなければいけない」と述べた。

 また、小泉政務官はドローンについて、4月に首相官邸の屋上に落ちているのが見つかった事件により過剰規制が生まれかねないと懸念したものの、「リスクはケアしなければいけないが、産業化の芽は絶対摘んではいけないという世の中の空気が生まれている」との認識を示し、特区でのドローン活用にも期待を込めた。