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感染症治療薬リネゾリドの使用で注意喚起-後発品発売による頻用懸念、感染症学会など

 日本感染症学会、日本化学療法学会、日本臨床微生物学会の3学会は、感染症治療薬である「ザイボックス注射液600mg/ザイボックス錠600mg」(一般名リネゾリド)の後発品の発売が開始されたことから、「後発品の臨床使用開始は時に当該薬剤の頻用の一因となることがある」とし、各学会のホームページを通じて、適正使用を呼び掛けている。【坂本朝子】

 リネゾリドは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症治療薬としてファイザー株式会社がザイボックスを販売していたが、その後発品として6月にMeiji Seikaファルマ株式会社が「リネゾリド点滴静注液600mg「明治」」の販売を開始した。先発品のザイボックスとは違い、VRE感染症のみに適応を持つ後発品として製造が承認され、薬価収載されている。

 3学会は、厚生労働省からの依頼を受けて、リネゾリドの後発品の適正使用の啓発・推進活動に取り組むために「リネゾリド適正使用推進委員会」を組織。感受性サーベイランスや使用量調査の事業を開始するとともに、適正使用を推進するリーフレットを作成し、各学会のホームページ上で公表した。

 同委員会の二木芳人委員長は、「薬剤耐性菌の出現と蔓延を抑制するためには抗菌薬の適正使用が重要である。また、耐性菌に対する新規抗菌薬の研究開発にも懸命に取り組まれているが、新たな抗菌薬の開発スピードは鈍化しているのが現状」とし、既存の抗菌薬を慎重に選択し、使用していく必要性を訴えた。

 リネゾリドの適正使用に当たっては、28日を超える投与の安全性や有効性が検討されていないことから、「原則として投与は28日を超えないことが望ましい」とされており、28日を超えて本剤を投与した場合には視神経障害が現れることがあるという。また、国内外の臨床試験や市販後に、本剤の投与で可逆的な貧血、白血球減少症などの骨髄抑制が報告されているため、臨床検査値の異常が認められる患者、骨髄抑制作用を有する薬剤との併用が必要な患者、14日を超えて投与する可能性のある患者には慎重な投与が必要としている。