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日本人の2割に脂肪肝リスク-肥満でなくても遺伝子変異あれば要注意

 熊本大大学院生命科学研究部薬物治療学分野の鬼木健太郎助教、猿渡淳二准教授らは、肝臓で脂肪分解に関与する「PNPLA3遺伝子」に変異がある人はたとえ肥満の基準を満たしていなくても脂肪肝や腎機能障害の発症リスクが高いことを明らかにした。同遺伝子に変異のある人は日本人の約2割に上るという。研究成果は23日付(日本時間)の科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。【坂本朝子】

 PNPLA3の変異遺伝子型は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症や脂肪の分解に関与していることや、慢性肝炎や肝硬変、肝がんなどの発症に影響することなどが、欧米人を対象とした遺伝子解析によりこれまで明らかにされてきた。日本人を含むアジア人は欧米人と比べ、肥満の基準を満たさない人でNAFLD発症者の割合が高いことが問題となっているが、この変異遺伝子型の非肥満者への影響については明らかではなった。

 そこで、鬼木助教らは日本赤十字社熊本健康管理センター・緒方康博所長、大竹宏治医師らと共同で、同センターの人間ドック受診者740人を対象にPNPLA3変異遺伝子型がNAFLD発症や腎機能低下に及ぼす影響について、肥満の基準を元にグループ化して検討した。

 その結果、肥満の基準を満たさない群では、変異遺伝子型のある人は、ない人に比べNAFLDの罹患率が約3倍高く、腎機能を表す推定糸球体濾過量も低い値を示していたという。

 この結果を基に研究グループは、「日本人では、PNPLA3遺伝子に変異のある人は、たとえ太っていなくても脂肪肝や腎機能障害を発症しやすく、生活改善などによる積極的な介入が望まれることが示唆された」と結論付けた。今後、ほかの遺伝子型や因子の影響を明らかにできれば、リスクが高い人を早期に抽出でき、積極的に予防や早期治療することで医療費の削減が期待できるとしている。