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次回改定で「かかりつけ薬局」の制度化を-薬経連、患者志向の薬局に向けて競争必要

 保険薬局経営者連合会(薬経連、山村真一会長)は12日に東京都内で開いた記者会見で、2016年度調剤報酬改定への提言を発表した。患者志向を高めるために「かかりつけ薬局」を制度化し、薬局がサービスを競い合う必要があると指摘した。【大戸豊】

 提言では、次回の調剤報酬改定でかかりつけ薬局や保険給付率を焦点に、報酬制度が抜本的に見直される可能性があるとした上で、(1)調剤報酬の簡素化(2)医薬品ごとに(あるいは疾病ごとに)保険給付率を変動させる(3)かかりつけ薬局の制度化-の3点を挙げた。
 「調剤報酬の簡素化」では、「調剤基本料と管理指導料(薬学管理料)は一元化し、加算はすべて廃止」して、「調剤料は薬価×係数のかたちに整理する」ことを提案した。
 これにより、調剤報酬は「基本料α+薬価×β」として算出することになり、同一の処方せんであれば、どの薬局でも点数は同じになる。簡素化の理由については、薬局が算定要件を満たすことに追われる現状を改め、患者を呼ぶためのサービス向上を促す狙いがあるという。
 田代健副会長によると、この式では、薬価の高い医薬品を出す薬局の方が収入は上がるが、患者から見ると、負担の大きい薬局に映るといい、後発品の利用を勧めるような薬局であれば、負担の軽い薬局ととらえるようになるという。田代氏は、「その際、薬局が『このような理由で先発品を使っています』と説明できればそれでいい。それができなければ、淘汰されていくのではないか」とし、この仕組みによって患者主導で薬価が抑えられるようになると述べた。

 「かかりつけ薬局の制度化」は、患者が一つの薬局を「かかりつけ薬局」と決め、その薬局で保険調剤を受けると、自己負担は3割に抑えられるが、それ以外の薬局では、自己負担を1割増の4割にするといった仕組みだという。
 田代氏は、その月の初めに利用する薬局をかかりつけ薬局とし、翌月に別の薬局を利用すれば、今度はそこがかかりつけ薬局になると説明。田代氏は「薬局はその患者のかかりつけ薬局に選ばれたいので、一生懸命サービスをする。そのように薬局同士の競争が進めば、患者志向の薬局へ競争が進むのではないか」と述べた。

 質疑応答では、調剤報酬の簡素化により、薬剤師が行った内容に関係なく、報酬が一定になるため、サービスの低下が起きないかという質問があった。
 田代氏は、金額を一律にした時、純粋にサービスの質が問われると指摘。かかりつけ薬局を決めた場合に自己負担が安くなるのであれば、どの薬局を使うかを考えるため、むしろ質が悪い薬局は淘汰されていくのではないかと説明した。
 また、山村会長は、国がかかりつけ薬局の議論で示した項目は、既に薬局がやらなくてはいけないことばかりと指摘。現状に不十分なところがあることは承知しつつも、「そこを到達目標にするのではなく、もう標準にしてもいいステージではないか。急がないと、国民と国からの期待に応えられないという緊張感が欲しい」と述べ、薬局のサービスレベルの向上が問われているとした。