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認知症介護の家族負担、6兆円超-社会全体では14兆円超に、厚労省推計

 家族らが認知症の人を介護した結果、得られなかった賃金などを集計すると約6.2兆円に上ることが、厚生労働省の科学研究班の推計で明らかになった。医療費や介護費など認知症に対する社会全体の負担額は、年間約14.5兆円に達するという。【真田悠司】

 慶応大医学部の佐渡充洋助教ら科学研究班が、医療機関を受診したり、介護サービスを利用したりする全国の認知症の人を対象に、2014年時点の1年間の負担額を計算した。

 推計では、医療費と介護費、家族らが無償で実施するインフォーマルケアコストの3つから、認知症に関連して社会全体が負担する費用を割り出した。インフォーマルケアコストでは、全国の医療機関や介護者支援組織などで認知症の人の介護をする人(4236人)を対象にアンケート調査を実施。回答があった1685人のデータから、認知症の人の家族らが介護に費やした時間を労働に充てた場合に支払われるはずだった賃金などを計算した。

 医療費は、全国の医療保険のレセプトデータを基に入院と外来の医療費から算出し、約1.9兆円になった。介護費は、在宅と施設の介護サービスの平均利用額と介護サービス受給者数から計算し、約6.4兆円に上った。

 今後の課題について、佐渡助教は「社会的費用の大きさを調べるだけでなく、社会的費用が認知症の人や家族の生活の質向上に結びついているかを検証する費用対効果研究の推進が必要」としている。