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風疹大流行 地方県ではこれからが本番

朝日新聞社の医療と健康関連の情報を集めた医療サイトapital(アピタル) 2013年5月22日

fusin3妊娠している女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹が、首都圏および関西で大流行しています。これから地方県へと拡がってゆきますから、しっかり備えをしてゆきましょう。

沖縄県でも、これからが本番と考えています。先月末までに確認された風疹患者さんは6人に過ぎませんでしたが、その後、本土との往来が活発な大型連休がありました。つまり、これで県内に持ち込まれている可能性が高いですね。風疹の潜伏期間は2~3週ですから、そろそろ発症しはじめる頃です。

発熱と発疹、リンパ節腫脹が主な症状とされますが、インフルエンザのような高熱ではなく、微熱ぐらいで終わる人が少なくありません。それどころか、発疹すら出ない不顕性感染もいるものと考えられています。目に見えない形でじんわり拡がってゆく怖い病気であると言えるでしょう。国立感染症研究所からの情報では、今年に入ってから患者数は合わせて「6725人」ということですが、これはあくまで「医療機関を受診して風疹と診断された人の数」にすぎません。軽症で医療機関を受診していない人や不顕性感染の人数はカウントされていないので、この数倍規模で流行が広がっているものと考えてください。

もちろん軽微な症状で終わる人たちにとっては、たいした問題ではありません。しかし、妊娠20週頃までの女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が出るおそれがあります。すでに妊娠している女性はワクチンを接種することができませんから、周囲がワクチンを接種することで感染を予防し、女性と赤ちゃんを守ってゆくことが求められているのです。

私が働く沖縄県立中部病院にも、毎日のように、風疹ワクチンの接種を希望される方から問い合わせをいただいています。もうすぐ、風疹だけの単抗原ワクチンは品切れとなりますが、麻疹(はしか)のワクチンも一緒になっているMRワクチンなら在庫があります。少し値段は高くなりますが、麻疹も時々流行しますので、ぜひ、MRワクチンを接種していただくようお勧めしています。

実は、沖縄県の定期接種におけるMRワクチン接種率は全国でも極めて低いのです(麻しん風しんの第3期・第4期の予防接種の促進について)。中学1年生相当の第3期が81.3%(都道府県別44位)、高校3年生相当の第4期が78.8%(都道府県別42位)と悲劇的な数字なのですが、いま嘆いていても仕方がありませんね。風疹や麻疹にかかったかどうかが不明でワクチンを接種したかも記憶にない方は、地域で生まれてくる赤ちゃんを守るためにMRワクチンを接種いただければと思っています。

風疹ワクチンを接種をするうえで、気になることは副反応についてですね。風疹ワクチンとは、毒性を弱らせてあるとはいえ、実際にウイルスを感染させる生ワクチンです。風疹を発症してしまうことは極めてまれですが、ないわけではありません。軽症ながら発疹、リンパ節腫脹などの頻度は1~2%以下と言われています。とくに免疫が低下するような病気や免疫抑制剤を内服されている方は、接種が可能かどうかを主治医とよく相談されてください。

最後に、風疹にかかったかなと自覚されている方へのお願いです。症状の軽重によらず、発熱や発疹があるうちは外出を自粛してください。とくに特効薬はありませんから、持病などの問題がない限り医療機関を受診する必要はありません。ただし、症状が重いと感じたり、長引いている場合には、風疹でない可能性も含めて医師の診察を受けた方がよいかもしれません。その場合には、事前に診療所などに電話してから受診するようにしてください。産婦人科が併設されているような総合病院を受診するのは、できるだけ避けていただければと思います。院内のロビーやトイレなどで、妊娠している女性と接触してしまう可能性があるからです。

これは妊娠されている女性が発症してしまった場合も同様です。かかりつけの産科医に相談したい場合にも、いきなり受診しないようにしてください。かならず事前に電話で相談してから、受診方法のアドバイスを受けてください。ご不安だとは思いますが、他の妊娠している女性への配慮をお願いします。